2017年10月14日土曜日

ロシアは今日も荒れ模様

「持ち寄り弁当」とっても良いですね、”知の連鎖”、個人ではなかなかその広がりに
限りがあるのですが、基盤が違った人たちと、この様に持ち寄ると、宇宙の様に広が
っていくのでしょうね。
最近”米原万里”的視線がほんの少しですが、私の中に芽生えてきたので、違う視点で
見ることが、とても大事だと感じています。
一つのテーマで4人で5年、商業ペースの仕事だとまず不可能、羨ましい。

 今日、米原万里さんの本を2冊図書館借りてきて、読み始めました。「ロシアは今
日も荒れ模様」と「真夜中の太陽」です。
「ロシア・・」は1998年出版、執筆活動初期の作品で、プロローグも力が籠ってい
て硬い文章ですが、読んでいて最近勉強した心理学療法の文章と重なって見えて何
だか納得した次第です。

 社会主義の世界では”人”も”物”も社会の構成の一部で、特に尺度で図る必要もな
く、あるがままで存在意義があると、、
資本主義では先にも書いた通り、商品は勿論ですが、人も含め全てが金銭という尺
度で測られ、市場価値の高低が第一となる、、
”生きていく”事さえも価値を求められ、心の病になる人が増々増えているのが現状
です。社会主義が良いとは思わないのですが、良い一面もあるんだと、彼女の文章
から初めて知った次第です。

・・・
「買ってくれなくとも一向にかまわないわ」という感じの箱のたたずまいは、何だ
かとても潔くて清々しかった。
おのれに包まれるものが商品となることを拒むような、毅然とした迫力があった。
ヒトにも、モノにも、売れるか売れないかなんかに関係なく、それそのものの価値
がある。いや、価値なぞ無関係に、それぞれ勝手に存在する。そんな当たり前の真
実に、虚を突かれたように気付かされたのだ。
・・・・
ABC理論の解説を終える前に,エリスの人間存在と行為についての考え方を紹介して
おきたい。エリスは, 「われわれは,ときには周囲の人から受け入れてもらえない社
会で生きている。だから〈生きているから〉という理由だけで,何の条件もつけず自
分を受け入れられるようになることが重要である」,と考えている。この主張のみを
取り上げるとエリスが反社会的な行動をも許容しているような誤解を与えるかもし
れない。しかし彼が受け入れているその対象は, 「人間」であって「行為」ではない。
彼は「失敗は失敗であるし,悪い行為は悪い」と力強く言い放つ。しかし「だからと
いって,あなたの人間としての価値がなくなるわけではない」とさらに強く説いてい
くのである。この意味で彼は徹底した人間尊重の立場にあるといえる。
・・・

※引用:米原万里著「ロシアは今日も荒れ模様」

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